[映画] 映画レビュー「国際市場で逢いましょう」、涙&笑いの絶妙な調和が凄い!ユンホの印象的な演技にも注目!

2015/05/22 10:14:31

朝鮮戦争から現代まで一人の男が家族のためだけに生きてきた軌跡を描いた韓国映画「国際市場で逢いましょう」(ユン・ジェギュン監督)。「鳴梁」に続き、韓国で歴代動員数2位を記録したという。国際市場とは釜山(プサン)に現存する市場のこと。このタイトルの意味が最後にわかるストーリーとなっている。

朝鮮戦争も韓国にとって劣勢となり、北の援軍中国軍が攻め入る興南(フンナム)から家族で命からがら逃げてきたのだが、途中で妹と父と離ればなれになってしまう。その日から、まだ子供であった主人公は家族の家長となり、母、幼い妹や弟たちのために生きる日々が始まる。

大挙して押し寄せる人、大海原を進む戦艦、空を駆け巡る戦闘機。いつも思うのだが、ハリウッドに引けを取らない迫力あるシーンには韓国の映画の真骨頂を感じさせられる。そしてこの映画が韓国人に受け入れられる要因になっているのは、映画を通し散りばめられた時代設定。朝鮮戦争、ベトナム戦争、離散家族再会……50年代~現代まで韓国人が経験してきた時代背景にピッタリと合い、共感を得たからではないだろうか。


そして何といっても50年代に一世を風靡した実物の歌手であり、ベトナム戦争に参戦したナム・ジン役を東方神起のユンホが演じているのは見逃せない。全羅道(チョラド:韓国西南部)弁を話しているユンホは新鮮で、とても見る価値がある。

一方、内容はありきたりで、うまくいきすぎた部分は否めない。しかし、そこは「ユア・マイ・サンシャイン」のファン・ジョンミンや「シュリ」のキム・ユンジン、「オールド・ボーイ」のオ・ダルスなど錚々たる俳優たちの演技力でカバーされている。


最後にタイトル「国際市場で逢いましょう」の意味が分かるという設定なのだが、これが少々残念な結果に。映画中盤あたりから徐々にわかってしまうので、このクライマックスをもう少し丁寧に描いてくれれば、単なる抒情的な映画で終わるのではなく、エンターテイメント性も高くなり歴代動員数1位の「鳴梁」を超えられたのではないだろうか。

それにもかかわらず、「国際市場で逢いましょう」は良い映画に間違いない。映画全般を支配するのは泣きの感性だが、それを愉快な笑いで表現したのがこの映画の最大の特徴で一番の魅力になっている。笑いと泣きが絶妙に調和をなし、映画の語りたい主題意識がより鮮やかに胸に焼き付く。同映画の最大の難点として、韓国の歴史的な事件を背景にしていたことを観る前に心配したが、それも杞憂に過ぎなかった。人間共通の感性を物語るので韓国歴史が知らない日本の観客にも100%共感できる壮大なヒューマンドラマだ。

■映画の詳細は

公式サイト:www.kokusaiichiba.jp
公式ツイッター @kokusai_ichiba

THE FACT JAPAN|中西

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