[映画] 『映画の現場』ホ・チョル監督「出演者全員出演料ゼロ」[インタビュー]

2012/12/11 17:57:04

韓国映画界を導く監督、俳優たちが一堂に会した。イム・クォンテク、カン・ウソク、パク・チャノら監督たちはもちろん、韓国女優の宝カン・スヨン、キム・ヘス、名俳優アン・ソンギ、パク・チュンフンら100名の映画人たちはホ・チョル監督の映画『映画の現場(原題)』で韓国映画界の現実を鋭く突いた。

誰かが絶対にメスを入れる必要があった問題をホ・チョル監督は映画『折れた矢(原題)』と『南営洞1985(原題)』のチョン・ジヨン監督と俳優ユン・ジンソの視線から描き出す。今年だけで1,000万観客を突破した国内映画が2編あり、キム・ギドク監督の映画『ピエタ』はヴェネチア映画祭で受賞の栄誉に輝いた。しかしホ・チョル監督の『映画の現場』では、その裏側に潜む惨憺たる現実がひとつひとつ公開される。

ホ・チョル監督は今回の映画のために9年間準備した作品も暫く中断した。ホ監督は高麗(コリョ)大学新聞放送学科で教鞭を執る教授からなぜ現場に飛び込んだのだろうか。今回の映画で何を語りたかったのだろうか。産業映画を作る監督たちからの産業映画を批判する心の内をeNEWSが聞いてみた。


―下記 ホ・チョル監督インタビュー一問一答

▶ 今回の映画を演出することになった契機は

「初めは断った。米国で15年間映画を学び、戻ってきて高麗大で教授になる時シナリオを書いていた。9年間執筆した作品を演出しようとしていたのでチョン・ジヨン監督のオファーを断った。しかし誰かが必ず整理しなければならない部分であり、映画を学ぶ人々に必要な部分なためプロジェクトを始めた」

▶ どのくらいの期間を経て作った作品なのか

「2009年3月に企画した。韓国では映画を作ってみようとせず、米国での習慣通りやってみたら準備期間が長くなり、10月から撮影に入った。映画に私と同級の友人カン・スヨンが登場する。スヨンが私に話したことが「高麗大で子供たちに映画を教えているが、あなたは米国映画やヨーロッパ映画については知っているだろうけど、韓国映画について知っている事はあるのか?韓国映画の根底も知らずに子供たちを教えるのは詐欺だ」と話した。個人的には今回の撮影を準備し、撮影しながら学ぶ感じだった」

▶チョン・ジヨン監督とユン・ジンソの視線で映画を描きだすことになったきっかけが気になる。

「忠武路(チュンムロ)の象徴、チョン・ジヨン監督と産業時代で映画をする俳優キャラクターを入れたくてユン・ジンソを選んだ。チョン監督とジンソさんは映画についての理解度が違い、生きてきた時代が違うため、2人がぶつかる姿を見たかった。ユン・ジンソという俳優は偶然のきっかけでキャスティングした。知的好奇心が強く、大胆だった。平凡ながらも白痴のようなイメージなのでドキュメンタリ-ともよく似合い一緒にすることになった」


▶ 韓国を代表する映画監督たちはもちろん、俳優たちが『映画の現場』に登場する。韓国の大家と韓国映画を作る人々をどのように一堂に集めたのか。

「私と似たような年代の監督たちや現在活動中の人、独立映画界や低予算映画界で活動している監督たちの出演は私が提案した。残りの評論家や監督たち、進歩的な考えを持った知識人たちはチョン監督が交渉に乗り出した。これらの組み合わせやここに出てくるこれらの視点を一緒に扱っても大丈夫だと思った。もちろん今回の映画に出演する方たちの出演料はゼロだ。韓国映画のためという趣旨にみんな積極的に協力してくれた。平均3時間のインタビューをして総200時間撮影した」

▶ 韓国映画界が間違った道に流れていると指摘する。監督、俳優、制作会社、評論家などに出会い、インタビューをしながら聞いた韓国映画界の一番大きな問題点は何だったのか

「環境が問題だ。まず韓国映画史について整理された記録もなく、記録を残そうとした形跡もない。特に軍部独裁時代を20年以上経験し、更にそうだったようだ。たとえば米国や英国は実験的な映画をしたが産業的な映画に移って行き、またこの二つのジャンルが共に共存しながら文化が新しく作られる自然な過程があったとすると、我々の映画界にはない。ハリウッドスタイルでスタジオを保存し、映画の歴史を記録する作業が重要だとして我々もそうしようとするが、米国のシステムを口先だけで言っているのが現実だ。ハリウッド式にやろうとするが相変わらず韓国式マインドでアプローチしている。映画人だといって映画の現場に携わっている人間でありながら専門性を持ちあわせない人々が大半だ。そう思うと業界の慣行を破るということのようだ」

▶ 専門性を備えていないということはどういうことを意味するのか

「私とチョン・ジヨン監督が結論を出したのは韓国で映画事業は芸術事業とは見られないということだ。芸術事業は10年、20年と見守らなければならない。映画界でずっと仕事して判断基準が専門家水準なら認めてやることもできる。世代を重ねるごとにノウハウが積まれ、これがシステムになり後輩たちは更にいい環境で仕事をしなければならないのに、そういうシステムを備えられるようにする専門家がいない。特に我が国にはきちんとした制作会社がない。全ての分野で不足している人たちで切りまわされていて全体を見渡しにくい構造に流れている」

▶ ある所ではもっと赤裸々に暴けてなくて残念だという犯のもある。

「我々の映画を歪んだ視点で見る人々はみんな知っている話しだと言ったり、解決策もないんじゃないかと言う。解決策を与えようという目的で今回の映画を作ったのではない。韓国映画の意味を調べてみようという大きな骨子の元、ドキュメンタリー的なテーマで覗いてみた。韓国映画で改善しなければならない点を浮き上がらせ話題になり、これを公にしようという意図だった。散漫だということもできるが、答えを与えるより映画の中の構造を介して話を聞かせたかった。結局問題は資本だった。特に映画の最初に登場するシーンが資本主義社会を一番よく表現している」


▶ 産業映画 vs 芸術映画

「今の時代は資本と言う名の馬に乗って走らなければならない時代だ。世界に革命が起こり、社会主義でもない、資本主義とも違う、第3の代案的理想的な社会に変えない以上資本主義と言う馬に乗って出て行かなければならない。資本主義というのは完璧なシステムではなく、その論理も完璧ではない。メインストリームと独立的な事が互いに助け合わなければならない。メインストリームからもハリウッド式ストーリーの上に映画的な、芸術的なメッセージを入れなければならない」

▶ 韓国映画界が進まなければならない方向はハリウッドではないと言った。代案はあるのか

「スタッフの処遇問題がハリウッドも同じように共存している。ハリウッドは我々のロールモデルであり、向かわなければならない方向であると同時にジレンマである。グローバル市場にだけ出て行こうとうすれば限界がある。映画産業でビジネスを上手くやろうとしたらノウハウを積んだ専門家が必要だ。創作専門家を認められる人材を育て、外国市場を扱う人材も経験があるからと連れてくるのではなく、専門家を養成しなければならない。政府からも多様な映画を見られるように制度的な部分に神経を使うのはもちろん、創作を自由にし、生計を維持できるよう合理的な政策環境を整えるよう後押ししなければならない」

▶ 映画に登場するが女優が若ければ投資が受けられるとある。しかし逆説的に今は若い女優が居ないと思うが

「多様性がある映画が出て来ないとキャラクターも多様にならない。ペ・ジョンオク先輩が的確な話をした。キャラクターがないから年齢と関係なくキャラクターが多様化しない。女性のキャラクターがそうだと女優たちは歳を取って演技が出来なくなる。独立映画、実験映画、芸術映画などがあれば多様なキャラクターがあり、演技を楽しみ、上手く演じる人々が養成されるんだが、その部分残念だ」

▶ 産業映画を撮る監督たちが今回の映画で産業映画について論じているのが皮肉だが面白かった。

「彼らも問題意識に共感する。特にカン・ジェギュ監督は産業映画を撮る監督ということについてあからさまに嫌がった(笑)産業映画は学ぶ価値もなく、芸術ではないことについて反発感がある。だが芸術映画と独立映画がなければならない。多分今は産業映画を撮る理由は多分映画をやりながら物足りなさを経験したからじゃないだろうか」

▶エンディングクレジットで『アリラン』を使った理由は

「撮影だろうと編集だろうと音楽だろうと映画を製作する時それらに自律性を与える。『映画の現場』の意図を有名サウンドデザイナーに聞かせたら『アリラン』を取りだした。彼が今回の映画のキーワードを和解、葛藤、克服と定め『アリラン』をアレンジしバイオレット・リーという米国歌手が歌った」

▶ 今回の映画を通じて何を得ようとしたのか気になるが

「このドキュメンタリーを見て創作する人々たちは資本についてより多く考え、公になることも重要だが、制作者の立場からは今回のドキュメンタリーを見て気に入らなければいいと思う。今までの我々が見せてきたドキュメンタリ-の形式とは少し違う。多様なアングルで再解析し、今後多様性が投影さえた作品が多くなったらいいと思う。またこれまで我々は韓国映画界で絶対に整理しなければならない部分を見過ごし、前だけをみて走った。世の中が変わるのは資本のためだが、俳優は俳優として次回作を何にするかだけを悩み、監督はシナリオだけを探す、こういう部分を直さなければならない。互いに刺激になり、その中で手を取り合いながら映画が流れていけば豊かな映画文化を作ることが出来る。そうなれば下方平準化された大衆文化レベルが高まると思う」

▶『映画の現場』での核心は

『韓国映画を定義するならばカクテルだと言える。我々の映画は様々な伝統が入り混じり、多様な伝統映画に接しながら新たな韓国的情緒を作り『韓国映画のルネッサンス』とする。しかし今は劇場に行けばハリウッド映画でなければCFが主導する韓国映画しかない。ジャンル的だけでなく本当に多様な映画が増えてくれたらというのが望みだ」

写真=ホ・ジョンミン記者

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